Rails環境ごとにSeedデータ切り替えるseeds.rbの書き方
  • 2020.07.14に公開
  • 2021.03.01に更新
  • Udemy
  • 8. ユーザーモデル開発
  • No.5 / 8

今回達成すること

ユーザーテーブルにSeedデータを投入します。

また、「開発」「テスト」「本番」の3つの環境でSeedデータを切り替える方法もご紹介します。

Seedデータとは?

Seedデータとは、テーブルに保存するデモデータのことです。

このデータはアプリケーションの動作確認用データとして扱われます。

Seedデータは、Railsのseeds.rbにデータ生成用コードを書くことによって、一度に大量のデモデータを生成できます。

環境ごとにSeedデータを切り替える

「開発環境にデモデータを投入したいけど、本番環境にはデータは投入したくない」

「テスト環境だけ大量にデモデータを投入したい」

など、環境ごとにデータを切り替えたい場面があります。


ただその都度データ生成用のコードを書き換えるのは大変。。。

そこで「開発」「テスト」「本番」の3つのディレクトリを用意し、環境ごとに読み込むファイルを切り替える設定を行います。

環境ごとのディレクトリを作成する

まずは「db」ディレクトリに「seeds」ディレクトリを作成し、その中に環境ごとのディレクトリを作成します。

root $ mkdir api/db/seeds && mkdir $_/{test,development,production}

ディレクトリ構造は以下のようになりました。

api/db
├── migrate
│   └── 20200708014630_create_users.rb
├── schema.rb
├── seeds
│   ├── development
│   ├── production
│   └── test
└── seeds.rb

seeds.rbの編集

続いてseeds.rbに、環境ごとに読み込みファイルを切り替える実装を行います。

api/db/seeds.rb
table_names = %w(
  users
)

table_names.each do |table_name|
  path = Rails.root.join("db/seeds/#{Rails.env}/#{table_name}.rb")

  # ファイルが存在しない場合はdevelopmentディレクトリを読み込む
  path = path.sub(Rails.env, "development") unless File.exist?(path)

  puts "#{table_name}..."
  require path
end

table_names = %w(users)

まず読み込みたいファイル名の配列を作成します。

> table_names
=> ["users"]

path = Rails.root.join("db/seeds/#{Rails.env}/#{table_name}.rb")

配列をループしてファイルパスを作成します。

> path
=> #<Pathname:/app/db/seeds/development/users.rb>

Rails.env

今現在の環境を文字列で返します。

> Rails.env
=> "development"

unless File.exist?(path)

パスにファイルが存在しない場合

> File.exist?(path)
=> false

path = path.sub(Rails.env, "development")

「development」ディレクトリを参照するようpathを書き換えます。

> path
=> #<Pathname:/app/db/seeds/development/users.rb>

puts "#{table_name}..."

現在の読み込みファイルをターミナルに出力します。

> puts "#{table_name}..."
users...

require path

Rubyのrequireメソッドでファイルを読み込みます。

require path

以上で環境ごとに読み込むファイルを切り替えることができます。

(コラム)文字列書き換えメソッド「sub」と「gsub」の違い

  • sub ... 最初に一致した文字列を書き換えます。
  • gsub ... gはグローバルの略で一致する全ての文字列を書き換えます。
"abcabc".sub(/abc/, "")
=> "abc"

> "abcabc".gsub(/abc/, "")
=> ""

参考 Ruby文字列のgsubメソッドとsubメソッドの違いは何ですか - Stack Overflow

(コラム終わり)

Seedデータ生成ファイルを作成する

ユーザーSeedデータを生成するusers.rbを作成しましょう。

今回は「developmentディレクトリ直下だけに作成します。

root $ touch api/db/seeds/development/users.rb

10人のユーザーを生成します。

api/db/seeds/development/users.rb
10.times do |n|
  name = "user#{n}"
  email = "#{name}@example.com"
  user = User.find_or_initialize_by(email: email, activated: true)

  if user.new_record?
    user.name = name
    user.password = "password"
    user.save!
  end
end

puts "users = #{User.count}"
  • find_or_initialize_by ...

    ユーザーテーブルをfind_by(email: email, activated: true)で検索する。

    • ユーザーが存在する場合 ... ユーザーオブジェクトを返す。
    • 存在しない場合 ... 新しいユーザーオブジェクトを作成する。
  • if user.new_record? ... もしuserが新規作成オブジェクトだった場合、

  • user.password = "password" ... ... パスワードをセットして保存。

これでSeedデータの準備が整いました。

ユーザーSeedデータを投入する

Railsは、seeds.rbをコマンドで操作することができます。

Seedデータを追加で投入したい時
$ rails db:seed
今あるSeedデータを全て削除して、新たに投入したい時
$ rails db:reset

今回はバリデーションでデモユーザーを作成したので、全てリセットして新たにユーザーを投入します。

resetコマンドを実行しましょう。

root $ docker-compose run --rm api rails db:reset

...
users...
users = 10

Railsコンソールに入って確認してみましょう。

root $ docker-compose run --rm api rails c

> User.all

+----+-------+-------------------+-------------------------+-----------+-------+-------------------------+-------------------------+
| id | name  | email             | password_digest         | activated | admin | created_at              | updated_at              |
+----+-------+-------------------+-------------------------+-----------+-------+-------------------------+-------------------------+
| 1  | user0 | user0@example.com | $2a$12$kljilHAWmLjYD... | true      | false | 2020-07-14 11:09:03 ... | 2020-07-14 11:09:03 ... |
| 2  | user1 | user1@example.com | $2a$12$QMSnQWBXBuSUs... | true      | false | 2020-07-14 11:09:04 ... | 2020-07-14 11:09:04 ... |
| 3  | user2 | user2@example.com | $2a$12$i1KuI4xNFCvks... | true      | false | 2020-07-14 11:09:04 ... | 2020-07-14 11:09:04 ... |
...

10人のユーザーデータの確認が取れたら成功です。

コンソールから抜けましょう。

コミットしとく

これでユーザーSeedデータが用意できました。

ここまでの変更をコミットしておきましょう。

root $ cd api
api  $ git add -A
api  $ git commit -m "add_seed_data_users"
api  $ cd ..
root $

まとめ

今回は環境ごとにSeedデータを切り替えるセッティングを行いました。

編集したseeds.rbは、環境ごとの新たなファイルを作成すれば自動で読み込まれ、ファイルがない場合は開発環境と同じファイルを読み込みます。

この回では、「test」「production」ディレクトリにseedファイルを作成しませんが、興味がある方は是非ファイルを作成しSeedデータを切り替えてみてください。

次回は?

ここまでにユーザーテーブル、Seedデータが整いましたが、まだバリデーションが正しく動いているかテストをしていませんね。

そこで次回はテスト環境を整えていきます。

どうぞ👇下へ。

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